第2回:将来にわたって家計をコントロールするためのアイデアに出会う

  • この講座をはてなブックマークに追加

夏の暑さも少し残る初秋の朝5時57分、ヨーヘイは6時にセットした目覚まし時計よりも早くに目が覚めた。何しろ今日から「お金の勉強」をはじめる為に7時過ぎには四条烏丸に着いてないといけない。「京都朝げいこ」の『お金を味方にするライフマネー講座』の初回講座が待っている。ヨーヘイの家からは自転車を走らせて20分程。パン頬張りながら身支度もほどほどに、家を出た。

 四条烏丸を南に下ったところにあるSHARE Karasuma(シェアカラスマ)。自転車で来たヨーヘイは近くの駐輪場に自転車を止めて歩いて向かった。

「おはようございます!」

シェアカラスマの扉を開いたらいきなりスタッフからのあいさつの声。既に何人かの同じ受講生は席についている。それに習ってヨーヘイも席に着くと、今日の講座テーマが表紙に書かれたレジュメが置かれている。

「よし、がんばろう。」

 

時間がちょうど7時15分をさす。「京都朝げいこ」スタッフのあいさつもほ どほどに、この講座の講師にバトンタッチされる。なにせ出勤前の1時間はそれ ぞれみんなの自由に使える時間とは言え、貴重な時間だ。1分も無駄にはできな いということは、みんな心得ているのだろう。

 

伊藤先生:

皆さんおはようございます。講師を務めますファイナンシャルプランナーの伊藤俊輔と申します。これから8回にわたって、ファイナンシャルプランナー (FP)の立場から生活に関わるいろいろなお金の話をしていきます

ヨーヘイ:

(8回か。長いのかどうなのか…。ってかファイナンシャルプランナーの立場から、って、何か違うんだろうか?他はどんな立場があるのかな?)

 

伊藤先生:

では、早速始めますね。今日は皆さんに家計管理の第一歩として知っていただきたいことをお伝えします。どういうことかというと、これからのお金の使い方 や将来のことを考えていくためには、とにかく「今」がどのような状況なのかを おおまかにでも把握する必要があります。

 

ヨーヘイ:

(自分自身や家族の今を大まかに把握…?)

 

伊藤先生:

具体的に、どのようなことを把握するかというと

----

・ライフプラン/ライフイベント

 人生において将来どんなイベント(出来事)が予想されるのか

・今興味をもっていること

・家計の資産表

 今どれだけのお金を持っているのか

・家計の収支表

 毎月・毎年の収入と支出はどうなっているのか

----

 

私が皆さんのこれからの人生を決めることはできませんし、皆さんの現在のお金の状況を把握することもできません。まずは皆さん自身に整理していただくことが必要です。
例えば、2012年の厚生労働省の調べによると、日本人の平均寿命は女性が86.4 歳、男性が79.9歳です。今の皆さんの年齢から考えて、長いと思われますでしょうか。反対に短いと思われるでしょうか。

 

ヨーヘイの場合は今35歳。平均寿命に照らし合わせるとあと約45年間。

 (これは長いのか?短いのか?)

 

伊藤先生:

ファイナンシャルプランナーの立場として、詳しくお伝えしたいのは60歳以降の平均余命だったりします。一般的には60~65歳まではお仕事をして収入を得る期間ですよね。一度考えてみたいのは、その以降の期間のことなんです。

 

ヨーヘイ:

(そーだよなー。でも60歳になるまでにもお金いるよな。)

 

伊藤先生:

ヨーヘイさん、初めまして!今回は受講いただいてありがとうございます。…が、早速何か疑問がありそうな雰囲気ですね(笑。

 

ヨーヘイ:

あ、ああすいません。えー、つまりこれまでのお話だったら定年後の為にどのようにお金をためるかということが大事なように聞こえるんですが…。実際問題、そこに行き着くまでがしんどいというか、目下の悩みの種と言うか…。

 

伊藤先生:

ズバリ!そのとおりです。

すでにその点に気づいていただいて、私も進めやすいです。

そうです、特にヨーヘイさんのような30代半ばの方で…えーっと、ご家族の構成を伺っても大丈夫です?

 

ヨーヘイ:

あ、妻と子ども3人です。上の子で小学1年生で。

 

伊藤先生:

なるほど。これからお子さんの進学や独立。住宅を購入されるかどうかやライフスタイルに合わせて、車の買い替えや引っ越しなども大きな支出のポイントになるかもしれませんね。それにお仕事のことでは今後の世の中の動向や転職による収入の変化もあるかもしれません。

 

ヨーヘイ:

なんかいろいろ把握しないといけないですね。「お金のお勉強」どころじゃないかも…。

 

伊藤先生:

そんなに気弱にならないでください…。確かにいろいろと把握はしていただきたいのですが、そうすることでリタイアするまでの間に必要な出費や身の回りのイベントがしっかりイメージできるんですね。

そしてさらにイメージを可視化させるために…

 

ここから伊藤先生は、家計における資産の合計を知るための表(家計の資産表)や、家計の中で「自由になるお金」を知るための表(家計の収支表)を紹介。そして何より…

 

伊藤先生:

次回までの宿題です。ご自身のライフイベント表を作って来ていただきます。 結婚、出産から仕事の目標や、目標とする貯蓄額などもあればベターです。ご家族がおられる場合は更にイメージしやすいと思いますので、将来にわたるイベントをご家族の分も含めて入れて来てくださいね。

 あっ、講座で発表していただくわけではありませんし、私に提出していただくわけでもありません。あくまでもこれからの講座を進めていく前提となる情報です。今の皆さんが考える「将来の姿」をまとめることで、「今のお金の使い方」 をこれからの講座で知っていただきます。

 

初回の講座終了。ヨーヘイの想像していた「お金のお勉強」とは、すこし違うイメージから始まった様子。ライフイベント表の作成など、いきなり宿題がでたが今のところモチベーションが高いし…やっぱり、大丈夫か?ヨーヘイ!

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(登場人物)

 

ito02
伊藤さん:
ファイナンシャルプランナー(CFP®)、年金アドバイザー2級。特定の金融機関を経験していないからこその、普通の人の立場に立った視点が好評。活動の中心は相談業。2011年に「まちのファイナンシャルプランナー」をめざして地元に事務所をオープン。有料だからこその特定の金融商品への偏りをもたない相談を モットーとする。子煩悩な一面もあり。
関連サイト   :    http://money-2nd.com/

 

yohei
ヨーヘイ:
京都市内のPR会社に勤めるサラリーマン。仕事では「京都のみんなを早起きにして、『Quality of Life』の向上を促す事業に携わっているが、元々朝が強いわけではない。妻と子ども3人の5人家族で、保険や住宅のこと。これからの教育費に両親の将来など、いろいろ長い目で見ると悩み事の多い年齢になりつつある。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

この連載ブログは「お金を味方にするライフマネー講座」のスピンオフ企画です。

監修:伊藤俊輔(お金を味方にするライフマネー講座 講師 HP:■京極・出町FP相談 〜お金にもセカンドオピニオンを!〜

2013年09月16日
友だち追加